USRPを使い始める話(1)でこの投稿の構成を以下のように示しました.
- MatlabでUSRPを動かす
- USRPのファームウェア及びFPGAイメージのアップデート(前編)
- USRPのファームウェア及びFPGAイメージのアップデート(後編)
前回はMatlabでUSRPを動かしてみようかなと思ったら,ファームウェアとFPGAイメージのアップデートを要求されたところで終わりました.
今回は2つ目のUSRPのファームウェア及びFPGAイメージのアップデート(前編)ついて書きたいと思います.前編ではファームウェアとFPGAイメージのアップデートをするために必要なUHDというツールのインストールについて書いていきます.
2. USRPのファームウェア及びFPGAイメージのアップデート(前編)
USRPのファームウェア及びFPGAイメージのアップデートを行うには,UHD(Usrp Hardware Driver)が必要です.UHDは,USRPをホストPCから操作することを可能にするドライバです.ホストPCのOSについては,Mac, Windows, Linuxが対応しています.私はMatlabをWindowsで使っているので,WindowsにUHDをインストールしたいところですが,Windowsの環境構築はやや面倒くさそうなので,今回はLinux(Ubuntu)に環境を構築していきます.
Linuxの環境構築方法はこちらのEttusのKnowledge Baseを参考にしました.下記の手順もほぼこれの日本語訳のようなものです.このサイトによると,Linuxは実機環境である必要はなくVMが使えます.ありがたいですね.
UHDのインストール
上述した通り,私はubuntuにインストールしていきますので,以下はUbuntでの手順になります.バージョンは14.04と16.04については試していますが,この二つは依存関係のインストールの際若干必要になるパッケージが異なるので注意してください.ここでは14.04にインストールした時の記録を書いていきます.
必要なパッケージのインストール
UHDに必要なパッケージのインストールです.以下のコマンドを実行.
UHDのビルドとインストール
UHDのソースコードをダウンロードして,ビルドとインストールを行います.
まずはソースコードをビルドする時に使うディレクトリを作ります.
次に,gitのリポジトリをクローンし,クローンしたディレクトリに移動します.
次に,ビルドしたいUHDのバージョンを選択します.git的に言うとcheckoutします.以下のコマンドによってリリースしてるバージョンの一覧を確認し,checkoutします.
次にhostディレクトリに移動し,buildのためのディレクトリを生成します.
次に,Makefileを作るためにCMakeを実行します.
次に,Makeを実行してUHDをビルドします.
次に,以下のコマンドを実行することできちんとビルドの工程が完了したか確認できます.
次にUHDをインストールします.
次にシステムの共有ライブラリのキャッシュをアップデートします.
最後に,パスを通します.
以上でUHDのインストールが完了します.動作確認はuhd_find_devicesコマンドで確認するのが良いでしょう.接続されているUSRPの情報を表示してくれます.今は何も繋いでいないはずなので,以下のように表示されるでしょう.
このUHDを使うことで,USRPのファームウェアとFPGAイメージのアップデートをすることができます.
アップデート方法は次回にしたいと思います.